九保すこひです(フリーランスのITコンサルタント、エンジニア)
さてさて、この間「【windows 10→Linux】ネット接続を外部化してセキュリティアップした環境をつくってみた!」という記事を公開しましたが、この中で新しい言葉に出会いました。
それは・・・・・・
パケットキャプチャ
です。
つまり、通信中のデータを監視し、送受信した情報を復元してしまおう!というテクノロジーです。
これだけ聞くと、
「いや、それハッカーじゃん…😫」
と思うかもしれませんが、パケットキャプチャで通信内容を確認し、もしヤバそうな送受信をしてたら警告する、みたいなセキュリティ上の戦略としても利用されているんですね。
そこで!
今回はパケットキャプチャをつかって、HTTP(平文の通信)がどれだけ危険かを試してみることにしました。
つまり、今回は以下のような人に向けて書いています。
- 「HTTPの通信がどれだけ危険か実際に確認したい」
- 「パケットキャプチャのやり方が知りたい」
- 「セキュリティ初心者だけどパケット分析に興味がある」
- 「Wiresharkをつかってネット通信を監視したい」
- 「ネットワークのセキュリティ監視をしたい」
- 「URLやクエリパラメータがどう送信されてるか見たい」
- 「正直、ノリで記事を見に来た(笑)」
ぜひ最後まで読んでくださいね!
目次
大前提として
今回の内容は、インターネット上には普通に公開されている情報ではあるものの、悪用することも可能です。
ただ、記事の目的はあくまでも「HTTP(平文の通信)を使用しないようにする注意喚起」です。
絶対に悪用しないでください(というか、それほど悪用できる情報はないので、他のページに行っていただいたほうがいいかと…🤔)
ハッキング、ダメ、ゼッタイ!

パケットキャプチャツール「Wireshark」をインストールする
実はパケットキャプチャするツールは、インターネット上に公開されています。有名なのがWiresharkですね。
そこで、このツールをインストールします。
まずWiresharkのダウンロードページへ移動します。
ここから各環境にあわせてインストールしてください。
※windows, masOS, Linuxすべてで使えるようです!
インストール後、起動して以下のようになれば完了です!

なお、Linuxではコマンドラインで必要なtsharkは別でインストールしないといけない場合もあるので、もしtsharkが有効ではない場合は以下のコマンドもあわせて実行してください。
sudo apt install tshark
これでWiresharkのインストールは完了です。
tsharkからデータを受け取る部分(LaravelのArtisanコマンド)をつくる
HTTP通信は、コマンドラインからtsharkコマンドで実行することになりますが、そのデータの解析や通知は自分で用意しないといけません。
そのため、今回は使い慣れたLaravelのArtisanコマンドでログ出力するようにしてみます。
以下のコマンドを実行してください。
php artisan make:command HttpLeakWatch
すると、コマンドファイルが作成されるので、中身を以下のようにします。
app/Console/Commands/HttpLeakWatch.php
<?php
namespace App\Console\Commands;
use Illuminate\Console\Command;
class HttpLeakWatch extends Command
{
/**
* The name and signature of the console command.
*
* @var string
*/
protected $signature = 'http-leak:watch';
/**
* The console command description.
*
* @var string
*/
protected $description = 'HTTP(平文)通信の漏洩を監視するコマンド';
/**
* Execute the console command.
*/
public function handle()
{
// パイプ経由でtsharkからデータを受けとる
while (($line = fgets(STDIN)) !== false) {
$lineParts = explode(',', $line, 6);
logger($lineParts); // ログに出力
}
return Command::SUCCESS;
}
}
今回はこれで準備は完了です!
テストしてみる
では、実際にHTTP通信をして、送信データが抜き取れるかどうかチェックしてみましょう!
まず、以下のコマンドでtsharkを起動します(私の環境はLinuxなのでsudoで実行してます)
sudo tshark -i lo -l -Y http -T fields -E separator=',' -e frame.time -e ip.src -e ip.dst -e http.host -e http.request.uri -e http.file_data | php /var/www/html/l12x-vue/artisan http-leak:watch
ちなみに、
- -i lo:ローカルサイトのアクセス監視
- /var/www/html/l12x-vue:あなたのLaravelがある場所
となっていますので、適宜置き換えてください。
そして、アクセスするのはローカルにある「l12x-vue.test」というサイト。
条件は次のとおりです。
- URL:http://l12x-vue.test/login(平文通信でログインします)
- 入力:Email(test@example.com)、パスワード(myPassword12345)

ではブラウザでログインを実行します!
どうなるでしょうか・・・・・・(以下は実際に出力されたログです)
[2025-12-09 03:41:30] local.DEBUG: array (
0 => 'Dec 9',
1 => ' 2025 03:41:29.875814145 JST',
2 => '127.0.0.1',
3 => '127.0.1.1',
4 => 'l12x-vue.test',
5 => '/login,{"email":"test@example.com","password":"myPassword12345","remember":false}
',
)
[2025-12-09 03:41:30] local.DEBUG: array (
0 => 'Dec 9',
1 => ' 2025 03:41:30.105866554 JST',
2 => '127.0.1.1',
3 => '127.0.0.1',
4 => '',
5 => ',<!DOCTYPE html>\\n<html>\\n <head>\\n(長いので省略)
',
)
[2025-12-09 03:41:30] local.DEBUG: array (
0 => 'Dec 9',
1 => ' 2025 03:41:30.108419496 JST',
2 => '127.0.0.1',
3 => '127.0.1.1',
4 => 'l12x-vue.test',
5 => '/login,
',
)
[2025-12-09 03:41:30] local.DEBUG: array (
0 => 'Dec 9',
1 => ' 2025 03:41:30.126706845 JST',
2 => '127.0.1.1',
3 => '127.0.0.1',
4 => '',
5 => ',{"component":"Auth\\/Login","props":{"errors":(長いので省略)
',
)
はい❗
普通にメールアドレスとパスワードが抽出できていますね。
※HTTPSでも試してみましたが、ログは表示されませんでした。
(ダメですけど)成功です😊
ちなみに:公衆無線LANとかにも仕込むことができる
今回は自分のパソコンだけを監視しましたが、ルーターの設定次第ではネットワーク内全てのHTTPを監視することもできます。
そのため、よくわからない公衆無線LANとかに無差別にアクセスしてHTTPでアクセスする(させられる)とログイン情報が抜き取られてしまうことも考えられるわけです。
やはり、基本的にChromeなどのブラウザではHTTP通信しようとすると警告がでるようになったのは当然の話ですね。
ぜひ気をつけてください!
企業様へのご提案
さすがに今回のやりかただと、高度なセキュリティとは言えませんがないよりはマシと行っていいと思います。
もし今回のようなシステムをご準備になりたいかたは、ぜひお問い合わせからご相談ください。
お待ちしております😊
おわりに
正直なところ、今回は思いつきで記事を書くことにしたので、いつもより薄味な内容になってしまったかもしれませんが、セキュリティの情報について知識を得ることができました。
とくにルーターをつかえばネットワークにあるアクセスすべてを監視することもできると聞いて「こういうの考える人ってすごいな」と関心させられました。
私は長らくウェブの世界にドップリでしたが、今後はこういった周辺の知識も仕入れていきたいですね。
ぜひ皆さんもいろいろと試してください。
ではでは〜!

「地方に住んでると、Googleマップの
営業時間ほど信じられないものはないです😩
(何回も閉店済みでした)」





